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はじめて英語圏に語学留学をする人にとって、どこの国に留学すればよいのか迷うことも多いでしょう。あらかじめ好きな国や行きたい都市がはっきりしていれば、迷うことはないかもしれません。しかしそうでない場合は、あなたの貴重なお金と時間を投資するのですから留学先は慎重に決めたいと思うのは当然です。

では、どのような基準で留学する国を選べばよいのでしょうか。

ここでは、英語圏に語学留学を計画する際に、どのようなポイントに注意して渡航する国を選択するべきかを順に説明していきます。

英語圏各国の基本情報

最初に、英語圏の国々の基本情報をみてみましょう。

ここでは、語学留学先として人気のあるアメリカ、カナダ、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドを取り上げます。

フィリピンやマルタ島など英語が第一の公用語ではない国は今回の対象から除外しています。ただし、アイルランドは例外です。アイルランドでは、ゲール語が第一言語とされ、英語は第二公用語となっていますが、ゲール語は、「ゲールタハト」とういうごく限られた地域でしか使われておらず、日常的には英語を使用するからです。

アメリカ

文化と生活様式:アメリカは、ひとことでその文化や生活様式を言い表すのが難しい国です。なぜなら、さまざまな人種や民族が集まって形成された国だからです。敢えてその魅力を表現するならば、その多様性にあるといえるでしょう。

例えば、一般的にアメリカ人はアメリカという国に対して愛国心が強いといわれています。しかし、アメリカ以外の国で生まれ、移民してきた人たちは、祖国の生活習慣や文化も大切にしています。

また、地域によっても特色があります。大都市に住む人は、新しいことにチャレンジし、常に上を目指すことに価値を置く傾向があります。一方で、小さな町に住む人は、家族の絆を大切にし、やや保守的な面もあります。

こうした多様性はあるものの、アメリカ人は概してルールに縛られるより自由を、そして古いものを残すより新しいものを築くことを好む傾向があります。

風土と気候:アメリカは、日本のおよそ25倍、963万平方キロメートルの国土面積があります。地形の主な特徴は、西部にロッキー山脈、東部にアパラチア山脈が走り、中央部には大平原が広がっています。

気候は地域によって全く異なります。西経100度の経線を境として、西部の乾燥地域と東部の湿潤地域に大別できます。ニューヨークなどの東海岸には四季があり、夏は高温多湿です。

ロサンゼルスなどの西海岸は、雨が少なく高温で乾燥しています。冬は温暖で比較的過ごしやすい地域です。同じ西海岸でも北部は、冬の寒さが厳しいです。シカゴを中心としたアメリカ北東部から中西部では、夏と冬の温度差が激しく、フロリダなどの南部では高温多湿で特に夏は雨が多く、ハリケーンが発生することも多いです。

ニューヨークの気温

月(1~6) 1 2 3 4 5 6
最高(℃) 3.5 5.3 9.8 16.2 21.6 26.3
最低(℃) -2.8 -1.7 1.8 7.1 12.2 17.6
月(7~12) 7 8 9 10 11 12
最高(℃) 28.9 28.1 24.0 17.7 12.1 6.1
最低(℃) 20.4 19.9 16.0 10.0 5.3 0.0

ロサンゼルスの気温

月(1~6) 1 2 3 4 5 6
最高(℃) 20.1 20.3 21.2 22.6 23.6 25.6
最低(℃) 8.8 9.6 10.6 11.9 13.9 15.7
月(7~12) 7 8 9 10 11 12
最高(℃) 28.4 29.1 28.4 25.8 22.7 19.8
最低(℃) 17.6 17.8 17.3 14.8 11.1 8.6

留学先として:ハリウッド映画や日本の英語の授業で頻繁に出現する英語はアメリカ英語です。そういった影響もあり、アメリカは日本人の留学先として人気があります。なかでも特に人気の地域はロサンゼルスなどの西海岸とニューヨークやボストンなどの東海岸です。

また、アメリカには世界中から学生が集まってくるので、国際意識を高めるには最も適しているといえるでしょう。

治安は地域によって大きく異なります。危険とされる地域は、どの町でも存在するため、一人歩きや夜間の外出は避けた方がよいでしょう。

世界平和度指数ランキング※(2016年):103位

※「世界平和度指数 (Global Peace Index)」とは、イギリスのエコノミスト誌が23項目にわたって163か国を対象に分析し、各国(地域)がどれくらい平和かを相対的に数値化したものです。

主要都市:シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴ、シカゴ、ニューヨーク、ボストン、ホノルル

世界遺産:グランドキャニオン国立公園、ヨセミテ国立公園、自由の女神像、エバーグレーズ国立公園など

カナダ

文化と生活様式:雄大な自然と国際色豊かな大都市の両方を擁するのがカナダです。公用語は、英語とフランス語です。カナダ人の59%が英語、23%がフランス語を母語としています。残りの18%は、その他さまざまな言語を母語としており、カナダが移民社会であることを物語っています。

フランス語系の人は、ケベック州に多く住んでおり、国内には英語とフランス語を話すバイリンガルが17%存在します。

カナダには、さまざまな民族が共存するため、異文化に対する理解や寛大さが特徴的です。しかし、その寛大さに関わらず、カナダ人は国境を接するアメリカとの違いを強調し、自分たちがカナダ人であることに強い誇りをもっています。

都会でも身近に自然があり、アウトドア活動などが盛んです。また、スポーツでは、アイスホッケーが最も人気があります。

風土と気候:カナダの国土面積は、日本の約27倍ほどです。10の州と3つの準州とで構成され、肥沃な大平原では、農業が盛んです。ロッキー山脈には、北米屈指のスキーリゾートであるウィスラーがあります。また、多くの川や湖、北極ツンドラへと続く原生林があります。

バンクーバーなど西海岸の太平洋沿岸部は、一年を通して比較的温暖です。夏でも涼しく乾燥していて過ごしやすい日が多いです。

五大湖周辺は平野が広がり、比較的暖かいです。また、トロント周辺の大西洋沿岸は雨が多いですが、内陸ほど寒くありません。しかし、中央部に位置するウィニペグは北アメリカ大陸の中で最も寒い都市といわれています。

バンクーバーの気温

月(1~6) 1 2 3 4 5 6
最高(℃) 6.1 8.0 10.1 13.1 16.5 19.2
最低(℃) 0.5 1.5 3.1 5.3 8.4 11.2
月(7~12) 7 8 9 10 11 12
最高(℃) 21.7 21.9 18.7 13.5 9.0 6.2
最低(℃) 13.2 13.4 10.5 6.6 3.1 0.8

トロントの気温

月(1~6) 1 2 3 4 5 6
最高(℃) -1.1 -0.2 4.6 11.3 18.5 23.5
最低(℃) -7.3 -6.3 -2.0 3.8 9.9 14.8
月(7~12) 7 8 9 10 11 12
最高(℃) 26.4 25.3 20.7 13.8 7.4 1.8
最低(℃) 17.9 17.3 13.2 7.3 2.2 -3.7

留学先として:カナダの都市部では、中国などアジアからの移民が多く居住しています。そのため、日本からの留学生も比較的スムーズに現地の人たちと溶け込むことができます。また、ケベック州などでは、フランス語を学ぶことも可能です。

日本と同様にカナダには厳しい銃規制があり、治安も比較的良いことから、日本人留学生に人気のある国の一つです。平日には語学を学び、週末にはキャンプなどアウトドアを楽しむ留学生も多いです。

世界平和度指数ランキング(2016年):8位

主要都市:ビクトリア、ウィスラー、バンクーバー、ケロウナ、カルガリー、トロント、モントリオール

世界遺産:カナディアンロッキー山脈公園群、ケベック歴史地区など

イギリス

文化と生活様式:長い歴史と伝統が受け継がれるイギリスは、イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドの4つの地域から構成される連合王国です。イギリスは、さまざまな民族で構成されていますが、私たちがイギリス人として主にイメージするのは、ゲルマン民族のアングロ・サクソン人です。

一般的に、イギリス人は日常生活の中で、伝統や古いものに価値を置く傾向があります。手間をかけない質素なものが多いイギリスの食文化などから推し量れる通り、イギリスでは物質主義ではなく、精神的な豊かさを重んじる傾向があります。

また、イギリス人は、礼儀正しく、直接的な言動を控え、人当たりが穏やかです。さらに、個性をとても重視する傾向があります。

風土と気候:イギリスの国土面積は、日本の約3分の2です。全体的になだらかな丘陵地および平原で、国土の約90%が可住地です。北部や西部には山と湖に囲まれた起伏のある地域もありますが、中部から南部にかけては、緑に覆われたなだらかな丘陵地帯が広がっています。

北海道より北に位置しているにもかかわらず、暖流の影響で温暖な気候です。年間を通じて、東部では比較的乾燥し、西部では湿潤になります。秋の訪れは早いものの、冬の寒さはそれほど厳しくありません。

イギリスの気候の特徴としては、「一日のうちにも四季がある」といわれており、急に雨が降り出したり、寒くなったりすることがあります。

ロンドンの気温

月(1~6) 1 2 3 4 5 6
最高(℃) 8.1 8.6 11.6 14.6 18.1 21.0
最低(℃) 3.1 2.7 4.6 5.9 8.9 11.8
月(7~12) 7 8 9 10 11 12
最高(℃) 23.4 23.1 20.0 15.5 11.3 8.4
最低(℃) 13.7 13.8 11.4 8.8 5.8 3.4

留学先としてクイーンズ・イングリッシュ、もしくはRPと呼ばれる伝統的な格調高いイギリス英語を学ぶことができます。また、英語の習得以外にもイギリス発祥のガーデニングやアロマテラピーといった専門技術を習得する留学生が世界各地から訪れます。無料の美術館や博物館が多く、アートやデザインに興味のある人にも人気があります。

治安の面では、ロンドンなど都市部でのひったくり、置き引きなどの軽犯罪が多いため、注意が必要です。

世界平和度指数ランキング(2016年):47位

主要都市:マンチェスター、バース、オックスフォード、ポーツマス、チェルトナム、ブライトン、ヘイスティングズ、ロンドン、ケンブリッジ

世界遺産:ストーンヘンジ、バース市街、ウェストミンスター大寺院、ロンドン塔、カンターベリー大聖堂など

アイルランド

文化と生活様式:アイルランドは「エメラルドの島」とも呼ばれ、一年を通して色鮮やかな緑で大地が覆われます。中世には「聖人と学者の島」とも呼ばれ、今でも教育を重視する伝統があります。

また、アイルランドの文化で欠かせないのが、パブの存在です。なぜなら、パブはアイルランド人の生活の重要なコミュニケーションの場だからです。仕事を終えて帰宅し夕食を済ませた後、パブに集まり生演奏とビールを楽しみながら語り合うのがアイルランド人の典型的な生活スタイルとなっています。

風土と気候:アイルランド島の約80%を国土とし、高緯度に位置しているにも関わらず、メキシコ湾流の影響で暖かく、冬の平均気温は8℃程度です。四季の区別もはっきりしており、夏は日が長く、夜9~10時まで明るいです。

日本と比較すると、年間を通じて雨の日が多いです。ただ、通年を通しての降水量は東京よりも少なく、どしゃぶりのような雨はほとんどなく、降ってもすぐにやむことがほとんどです。

ダブリンの気温

月(1~6) 1 2 3 4 5 6
最高(℃) 8.1 8.3 12.1 12.1 14.8 17.6
最低(℃) 2.4 2.3 3.4 4.6 6.9 9.6
月(7~12) 7 8 9 10 11 12
最高(℃) 19.5 19.2 17.0 13.6 10.3 8.3
最低(℃) 11.7 11.5 9.8 7.3 4.5 2.8

留学先として:アイルランドの教育の質はヨーロッパで定評があり、多くのヨーロッパ系留学生が英語を学びに訪れます。他の英語圏の国と比べて日本人留学生はまだ少ないので、英語に専念できる環境が整っていると言えます。

また、アイルランド人はフレンドリーで話好きなので、日常生活の中でも現地の人たちと話をする機会に恵まれる可能性が高いです。

治安に関しては、アイルランドはヨーロッパの中でも治安のよいことで知られており、「世界平和指数ランキング」では常に上位にランクインしています。

世界平和度指数ランキング(2016年):12位

主要都市:ダブリン

世界遺産:ボイン渓谷の遺跡群、スケリッグマイケル

オーストラリア

文化と生活様式:雄大な自然が魅力のオーストラリアでは、大らかでフレンドリーな人が多く、親しみやすく友好的です。大都市を除けば、ゆったりと時間の流れる国だという印象を持つのではないでしょうか。仕事を終えたらまっすぐに帰宅し、家族との時間を大切にしたり、自然の中でアウトドアを楽しんだりすることを日課とする人がたくさんいます。

時として、時間にルーズな印象がありますが、それは大らかさや寛大さの表れでもあります。

また、オーストラリアはさまざまな背景をもった人々がいます。現在はヨーロッパ系の人々が80%以上、アジア系が12%程度、そしてアボリジニなどの先住民も国民の2%を占めています。

風土と気候:オーストラリアは、日本の20倍ほどの国土面積をもち、6つの州とひとつの準州にわかれています。東部には、グレートディバイディング山脈があります。さらにその山脈の東側には、シドニーやメルボルンなどの大都市が存在します。これらの大都市がある東海岸沿いは、亜熱帯性気候のため一年中暖かいです。

西部は砂漠が多く、中部や北部は広大な原野がその大部分を占めています。

オーストラリアは南半球に位置するため、日本と四季が逆転しています。4月ごろから秋がはじまり、6月ごろに冬が到来します。春の訪れは9月ごろで、夏は12月ごろにはじまります。

シドニーの気温

月(1~6) 1 2 3 4 5 6
最高(℃) 26.5 26.5 25.4 23.3 20.6 18.0
最低(℃) 19.6 19.7 18.1 15.3 12.5 9.7
月(7~12) 7 8 9 10 11 12
最高(℃) 17.4 18.9 21.2 22.8 23.8 25.5
最低(℃) 8.7 9.7 12.0 14.4 16.3 18.3

ブリスベンの気温

月(1~6) 1 2 3 4 5 6
最高(℃) 30.3 30.0 28.9 27.2 24.5 22.0
最低(℃) 21.4 21.3 19.8 17.3 13.6 11.6
月(7~12) 7 8 9 10 11 12
最高(℃) 21.9 23.1 25.7 26.9 27.7 29.3
最低(℃) 10.0 10.6 13.8 16.3 18.5 20.6

留学先として:国の政策として教育事業にも力を入れており、留学生に対しても、国家法で適切な教育の提供を保障しています。先生やホストファミリーもフレンドリーで親切な方が多いので、留学先として人気があります。

また、ワーキングホリデー先としても人気が高く、語学学校でもワーホリ渡航者向けのコースが充実しています。

他の英語圏の国と比べると、治安が良く、物価が安いことも大きな魅力です。

世界平和度指数ランキング(2016年):15位

主要都市:パース、メルボルン、シドニー、ケアンズ、ヌーサ、ブリスベン、ゴールドコースト

世界遺産:カカドゥ国立公園、グレートバリアリーフ、ウルル‐カタジュタ国立公園(エアーズロック)など

ニュージーランド

文化と生活様式:風光明媚な景色で知られるニュージーランドは、北島(ノースアイランド)と南島(サウスアイランド)という2つの主要な島と多くの小さな島々で構成される国です。人口の約74%がヨーロッパ系の人々で、約15%が先住民族のマオリ人、そして、約11%がアジア系の人々です。

ニュージーランド人は、のんびりとマイペースで生活することを好みます。性格も穏やかでフレンドリーな人が多いです。自然に恵まれていることもあって、環境保護や動植物の保護にとても高い意識を持っています。

風土と気候:ニュージーランドの国土面積は日本の約70%です。南島には、3000メートル級の山々が連なり、山肌を削って生まれた無数の氷河と、氷河湖があります。北島の中央には活火山があり、温泉や間欠泉をいたるところで見られます。どちらの島にも牧草地が広がる低地があります。

ニュージーランドは、南半球にあるため、季節は日本と逆です。年間を通して温暖ですが、一日の気温の差が大きいのが特徴です。

オークランドの気温

月(1~6) 1 2 3 4 5 6
最高(℃) 23.6 24.1 22.6 20.0 17.4 15.2
最低(℃) 16.0 16.5 14.9 12.7 10.6 8.4
月(7~12) 7 8 9 10 11 12
最高(℃) 14.3 14.9 16.4 17.7 19.5 21.8
最低(℃) 7.5 8.2 9.7 11.2 12.8 14.9

クライストチャーチの気温

月(1~6) 1 2 3 4 5 6
最高(℃) 22.6 21.9 20.3 17.4 14.3 11.7
最低(℃) 11.9 11.6 9.6 6.5 3.7 1.1
月(7~12) 7 8 9 10 11 12
最高(℃) 10.9 12.4 14.8 16.9 18.9 21.1
最低(℃) 0.6 2.0 3.9 6.0 8.0 10.5

留学先として:ニュージーランドの雄大な自然を求めて、もともと日本からの旅行者には人気があります。さらに、1989年に教育省によって「留学生の生活保障に関する服務規程」が制定され、語学学校のカリキュラムや施設、教師の質といった教育水準の維持と留学生活を保障されています。

また、小規模な学校が多いため、アットホームな雰囲気で学びたい人に最適です。学費と滞在費が比較的安いことも留学先として多く選ばれている理由です。

2016年度の世界平和度指数ランキングで4位に選ばれているように、治安がよいことも人気の理由です。

世界平和度指数ランキング(2016年):4位

主要都市:クィーンズタウン、クライストチャーチ、オークランド、ロトルア

世界遺産:トンガロリ国立公園、テ・ワヒポウナム(マウントクック等)など

語学留学にフォーカスした国選びの基準とは

ここまで、語学留学先として選ばれる英語圏の国々の基本的な情報をみてきました。あなたのイメージしている留学生活が、ある特定の国の描写と合致したかもしれません。または、どの国もあまりイメージが湧かなかったかもしれません。

しかし、せっかくの語学留学ですから、このような一般的な情報だけに頼るのではなく、語学留学を有意義にするための判断基準をじっくりと検討してみるべきです。

なぜなら、語学留学と海外旅行は目的が異なるからです。語学留学とは、あくまでも語学力向上を目的として海外に一定期間滞在することです。もちろん、語学に加えて何か別のスキルを習得したり、余暇を楽しんだりすることもありますが、原則として語学力向上が主な目的となります。

一方で、海外旅行の目的は多岐にわたります。特に目的は何かと問われることさえありません。

語学留学は自己投資ですから、語学力を伸ばすことに焦点を当てて、留学先を決定していくのは当然といえます。

ではこれから、語学留学を通じて本気で英語力を伸ばしたいと考えてる方が、どのように国を選べばよいかを判断するためのポイントを解説していきます。

留学先の英語はアメリカ英語かイギリス英語か

最初に考慮すべきなのは、留学先で話される英語の特徴についてです。

語学留学は、生きた英語を大量に聞く機会です。そのため、留学先の国の人々がどんなアクセント(訛り)で英語を話すかは大切な要素です。なぜなら、現地の人々が話す英語があなたのイメージする英語と異なっていたら、やる気が半減してしまうかもしれないからです。

世界のたくさんの国々で英語が母国語として使われていますが、主にアメリカ英語とイギリス英語の2種類にわけることができます。

アメリカ英語は、日本で一番よく耳にする英語だといってもよいでしょう。ほとんどのハリウッド映画やアメリカのテレビドラマなどで使われている英語がアメリカ英語です。一方で、イギリス英語は、「ハリーポッター」や「007」などイギリスを舞台にした映画で使われています。

アメリカ英語とイギリス英語の違いがわからない場合は、特に気にする必要はないかもしれません。しかし、一番聞きなれたアメリカ英語に憧れ、習得したいと思っている人は、イギリス英語やそれに近い英語を話す国を選択しない方が賢明といえます。もちろん、費用などやむを得ない事情がある場合はこの限りではありません。

国選び以前に語学学校のプログラムを検討する

次に、英語であればアメリカ英語でもイギリス英語でも、どちらでも構わない場合には、最初に国を決めるのではなく、語学学校のプログラムの内容を吟味して、プログラムを先に決めるとよいでしょう。そうすれば、そのプログラムを提供している学校のある国を必然的に選ぶことになります。

特に、語学留学や海外旅行自体がはじめての方の場合、留学エージェントや旅行会社、または英会話スクールなどを利用して留学される場合がほとんどでしょう。まずは、そういった会社から語学留学のパンフレットを取り寄せて、プログラムの内容をチェックすることからはじめましょう。

その際には、できるだけたくさんの会社からパンフレットを取り寄せて、比較検討するべきです。

ここまで、語学留学にフォーカスした国選びの基準となる2つの項目について述べてきました。1つ目は、留学先で使われる英語の種類を考慮することです。2つ目は、国選びではなく、語学学校のプログラムを先に決定してしまうことです。

ではこれから、一つ目のポイントである「留学先で話される英語の特徴」について説明していきます。

各国の英語の特徴を考慮する

日本語と異なり、英語はたくさんの国で公用語として使われています。そして、日本語に方言があるのと同じように、英語にも国や地域ごとに特徴があります。言語ですから、国ごとに細かな違いがあり、また同じ国内でも地域や社会的身分によっても話される英語は異なります。

このような細かな違いもありますが、前述の通り一般的に英語は大きく2種類に分類することができます。それが、アメリカ英語とイギリス英語です。

アメリカ英語とイギリス英語では、発音・単語のつづり・語彙・文法・アクセントやイントネーションが異なります。留学先の国を選択するにあたり、各国がどちらの英語を主として話しているかを知り、あなたの理想とする英語と合致しているかどうかを検討してみましょう。

アメリカ英語とイギリス英語の違い

先ほど述べた通り、アメリカ英語にしてもイギリス英語にしても、数多くの方言やアクセントがあります。究極的には一人ひとり異なった言語を話すと解釈する人もいるでしょう。

ただ、そういった細かな違いを考慮して比較することが難しいため、アメリカ英語とイギリス英語の違いを比較する際には、それぞれの国で「教養のある人たちが広範囲で使っている英語」を比較している場合がほとんどです。

アメリカ英語では、そのような英語のことをGeneral American (GA)と呼び、イギリス英語では、Received Pronunciation (RP)、もしくは「容認発音」と呼びます。RPは、別名クイーンズ・イングリッシュとも呼ばれます。簡単に言うと、GAはCNNニュースで、そしてRPはBBCニュースで話されているような英語のことをいいます。

渡航先として検討している6つの英語圏の国々でどちらの英語が主として使われているかは、以下の表のとおりです。

アメリカ英語 イギリス英語
アメリカ
カナダ
イギリス
アイルランド
オーストラリア
ニュージーランド

地域ごとに違いはありますが、このように大きくわけることができます。カナダに関しては、イギリス人からするとアメリカ英語のように聞こえるし、アメリカ人からするとイギリス英語のように聞こえるといわれます。ただ、私が実際にカナダのバンクーバーやケロウナで聞いた英語は、アメリカ英語に非常に近いと思いました。

そのため、ここでは、カナダをアメリカ英語に分類します。

もし、あなたが習得したいとイメージしている英語が、どちらの英語(アメリカ英語かイギリス英語)か決まっている場合は、その英語を話す国へ語学留学することをお勧めします。当然、どちらの英語を話せたとしても意思疎通はできますから、初心者レベルであれば、どちらでも構わないという意見もあります。

しかし、覚えるべき単語やそのつづりまで異なり、発音方法もかなり違うことを考えると、最初から自分が習得したいと思うものを話す地域へ留学する方が得策といえます。

アメリカ英語とイギリス英語のメリット

ここまで、2種類の英語(アメリカ英語とイギリス英語)について述べてきました。アメリカ英語のメリットは、日本で英語教材として使用されたり、アメリカ文化が日本に及ぼす影響が強かったりするせいか、日本人とってはなじみがあることです。一方で、イギリス英語のメリットは、伝統ある格調高い英語として人気があることです。

上記の表にある通り、アメリカ英語が話したい場合は、アメリカもしくはカナダを検討してください。イギリス英語が話したい場合は、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドを候補国として考えてみましょう。

英語であれば、アメリカ英語でもイギリス英語でも構わない場合は、渡航先の国から決めるのではなく、実際に通いたい語学学校のプログラムから選んでいくことをお勧めします。そうすれば、国選びで悩む必要はありません。

自分に合った語学学校プログラムで国が決まる

語学留学をする際に、現地の学校へ直接申し込みをする場合と、留学エージェントや旅行会社、または英会話スクールなどの日本の会社や学校を通じて申し込みする場合の2通りの方法があります。

ただし、海外旅行経験がなかったり、事務的な英語がわからなかったりするような英語初心者レベルの方の場合、後者の日本の会社や学校を通じて申し込みをすることがほとんどでしょう。

その際には、「たまたま広告でみたから」といった理由で一社だけのプログラムを検討するのではなく、できる限り多くの会社や学校から資料を請求し、たくさんのプログラムの中からあなたに最適なものを選んでください。

なぜなら、会社や学校によって提携先の学校やホストファミリーが異なり、扱っている国や地域も得意不得意があるからです。中には、特定の国を専門にしている留学エージェントも存在しますので、専門外の国は最初から勧められないことになります。

それではこれから、集めた資料をもとに着目すべきポイントを解説していきます。

留学期間と予算を決める

語学留学をすることを考え始めてから、実際に留学を開始する時期や期間、そして予算などの目安を決めるようにしましょう。

留学期間については、最低どれくらいの期間、英語漬けの環境にいたいのかを考えてみてください。そしてまた、学校の休暇期間、もしくは会社でお休みをもらえる期間など留学できる最大日数は何日か確認してください。同様に、予算も明確にしておきましょう。

次に、集めた資料をもとにそれぞれのプログラムの詳細な部分までチェックしていきます。

まず、最初にあなたの希望する留学期間と予算に合致するプログラムに「しるし」をつけていきましょう。付箋紙と蛍光マーカーを使って「しるし」を付けていくと後で見直しやすいです。

このように期間と予算でスクリーニングした後で、以下の項目をチェックしていきます。

レッスン数や授業時間の目安を計算する

集めた資料には、ほとんどの場合、各プログラムのレッスン数や授業時間の目安が記載されています。ただし、レッスンの数え方は、各会社やプログラムによって異なるため、必ず1週間に何時間のレッスンがあるのかを分単位で計算しましょう。

週単位で計算する理由は、金曜日は午前中だけというプログラムもあるので、他のプログラムと比較検討しやすいように単位を揃えるためです。また、30レッスンと書いてあっても、1回のレッスンが40分なのか60分なのか確認が必要な場合があります。その際は、留学エージェントなどの会社に問い合わせて確認してください。

1クラスの最大人数をチェックする

週ごとのレッスン・授業時間を計算したら、1クラスの人数をチェックします。最小、最大、そして平均人数を明記しているプログラムもありますが、最悪のケースを考慮するためにも最大人数を確認してください。

1クラスの人数が何人いるかによって、あなたの持ち時間(もしくは先生と話す時間)がどれくらいあるかを計算することができます。例えば、最大15名のクラスで1つのレッスンが60分だった場合、あなたのそのクラスでの持ち時間は60分÷15名=4分になります。

ここでは、1レッスンごとの持ち時間ではなく、先ほど算出した週単位の授業時間をもとにあなたの持ち時間を計算します。このようにすれば、ほかのプログラムと比較しやすくなります。

例えば、一週間に60分授業が20回ある場合は、週単位の授業時間は、1200分です。さきほどの例のように最大15名のクラスだった場合のあなたの持ち時間は、1200分÷15名=80分となります。

日本人比率も重要なチェック項目

次に考慮しておきたいのが、日本から生徒がどれくらいそのプログラムに参加するかを示す「日本人比率」です。冒頭の国の説明であったように、留学生は日本からだけではなく、世界中から集まります。したがって、プログラムによっては、さまざまな国の人たちと友達になるチャンスが増え、しかも彼らとは共通言語である英語で会話をするため、英語を話す機会も増えることになります。

留学は英語力を鍛えることが目的であるため、日本人比率が少ない方が良いです。

資料によっては、日本人比率を明記していない場合もあります。その際は、各社に確認してください。

授業内容も確認する

授業時間や参加者について調べた後は、授業の内容についてもう少し細かくみてみましょう。

語学留学でも、一般的な英語からビジネス英語といったさまざまな種類があります。学生の方で今後、英語圏の大学などに進学を考えているならば、学術用のアカデミック・クラスを選択するとよいでしょう。社会人の方で、ビジネスの場で英語を使うことを予定している場合は、ビジネス英語に挑戦してみるのもよいでしょう。

一般的な「読む・書く・聴く・話す」という英語の4技能を集中して伸ばしたい場合は、一般英語のプログラムが最適です。

英語のレベルによっては、選択できないプログラムもあるかもしれません。念のため、プログラムに参加するために必要な英語レベルについても各社に確認しておくとよいでしょう。

滞在形式(ホームステイ or 寮)も忘れずにチェック

これまで授業に関する項目に焦点を当ててきましたが、今度は留学生活でとても大切な要素である滞在形式です。あなたが検討しているプログラムでは、ホームステイができるのかどうかも確認してください。

寮(レジデンス)よりもホームステイの方が、現地の人と会話する時間は多くなりますし、家族の一員として留学先の国の文化を体験することができます。映画のシーンによく登場するクリスマスや感謝祭を本場の家庭で体験できる機会は滅多にありません。

ただし、ホームステイ先によっては、そのような体験もできず、単純に宿泊する部屋を与えられるだけの場合もあるようです。同じプログラムに参加したことがある体験者と直に話す機会があれば、具体的なホームステイ先の情報、ホストファミリーのお名前などを聞き出して、そのご家庭を指定してみるのもよいです。

周辺環境の確認

最後に、留学中に滞在する都市や町の様子をあらかじめ確認するために、学校名や住所で検索をしてみてください。Googleマップでは、現地の様子を詳細に調べることができます。その学校の建物の写真や地図上で近所にどのようなお店や施設があるかを確認しましょう。

さらに、その町が山や海に近いのか、大都会か田舎かといったことを自分の目であらかじめ確かめることができます。そういった情報もプログラム選びをする上で役に立ちます。

その他の要素を加え柔軟に検討する

これまで語学留学の観点から考慮すべき項目について述べてきました。しかし、あなたの貴重な時間と費用を使うのですから、語学力向上だけでなく、スキーやダイビング、乗馬や博物館めぐりなどといったレジャーにも時間を割いてみたいと思われる場合もあるでしょう。

もしそうであれば、そのような新たな要素も付け加えて、あなたに最適なプログラムを柔軟な姿勢で選ぶことも大切です。

まとめ

ここまで、語学留学先の国を選択する手順について説明してきました。もう一度、簡単に復習してみましょう。

まず、各国の一般的な情報をみて、それがあなたのイメージしている留学生活と合致しているかどうかを確認します。

次に、英語圏6か国で話されている英語が、アメリカ英語なのかイギリス英語なのかを判別します。アメリカ英語が話したい場合は、アメリカもしくはカナダへ、イギリス英語が話したい場合は、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドが候補国となります。

話されている英語がアメリカ英語でもイギリス英語でも、どちらでもよい場合には、具体的に語学学校のプログラムの詳細を調べて、参加したいと思えるプログラムを絞っていきましょう。

その際の判断基準として、留学期間・予算、授業時間と生徒数、生徒の日本人比率、授業内容、滞在形式、周辺環境の確認などを列挙しました。これらに加えてあなた独自の判断要素によって、最終的にどのプログラムに参加するかを決めてください。

また、それぞれの判断基準は、あなたが大切だと思うものに優先順位をつけて並べ替えてください。このようにして、あなたに最適なプログラム、そしてまた最適な留学先の国を確定することができます。