英語圏の大学へ留学することを検討し始めると、TOEFL(トーフル)やTOEIC(トーイック)といった英語の試験を受験することを考え始める人も多いことでしょう。

ただ、日本で実施されている英語の試験は何種類もあります。大学へ留学する場合は、どの試験を受験するべきなのでしょうか。また、どれくらいの得点(スコア)を取得すればよいのでしょうか。そもそも、そういった英語の試験を受験する必要が本当にあるのでしょうか。

このような疑問に答えるために、ここでは英語圏の大学へ入学・編入する際に必要となる英語の試験について説明します。その結果、あなたが受験すべき試験や試験対策のポイントを知ることができます。

大学留学に必要な英語の試験

日本で実施されている英語の試験は、何種類もあります。TOEICやTOEFLなど、よく耳にする英語の試験の概要は以下の通りです。

名称 テストの概要
TOEFL® iBT ・アメリカ、カナダなど130ヵ国以上の国々で短大・大学などへ入学する際に英語力を証明する指標として活用されている

・「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4セクションがある

・コンピューター形式で実施され、大学などのアカデミックなトピックを中心に出題

・テストの所要時間:4~4.5時間

・結果:0~120点のスコア方式(各セクションの配点:0~30点)

TOEIC® 大学留学の英語の試験としては、認められていない

・主にビジネスの設定で使われる英語力のテストで、企業が昇格・昇進の基準や海外出張者選抜時に活用

・「リスニング」と「リーディング」の2セクションのみ(「ライティング」と「スピーキング」は、TOEIC® S&Wという別の試験がある)

・マークシート形式

・テストの所要時間:2時間

・結果:10~990点のスコア方式(各セクションの配点:5~445点)

IELTS(アイエルツ) ・イギリス、オーストラリアなどの国々で大学や企業などが語学力の証明のために活用。2種類のモジュールがあり、大学・大学院入学用は「アカデミック・モジュール」、移住申請の際などに用いられる「ジェネラル・トレーニング・モジュール」と呼ばれる

・「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4セクションがある

・記述式の解答方式で、「スピーキング」については、ネイティブ・スピーカーとの面接形式

・テストの所要時間:約3時間

・結果:1.0~9.0のスコア方式(0.5刻み)

実用英語技能検定(英検) ・日本国内で進学や就職に活用される

・一次試験:「リスニング」「リーディング」「ライティング」、二次試験:「スピーキング」

・1~5級

・一次試験:2~5級ではマークシート形式のみ、1級・準1級はマークシート形式と記述式の「ライティング」テスト

・二次試験:「スピーキング」テストにおいて、3級以上は面接形式; 4、5級は録音形式

・テストの所要時間:級によって異なり、1級は約2時間20分、5級は約48分

・結果:1~5級(1、2級は準級があるため7レベルの合否およびスコア表示)

Cambridge English(ケンブリッジ英検) ・世界的に認知された英語力を証明するための試験、イギリス、欧州など130ヵ国以上で活用

・「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4セクション

・5段階のレベルがある(CPE、CAE、FCE、PET、KET)

・どのレベルでもマークシートと記述式の解答方式で、「スピーキング」は、ペア面接形式

・テストの所要時間:レベルによって異なり、CPEは約4時間、KETは約2時間

・結果:CPE、CAE、FCE、PET、KETという5つのレベルの合否表示

TEAPやGTECなど、他にも英語の検定試験はありますが、ここでは留学に関係するものだけを記載しています。ただし、上から2番目に記載しているTOEICは例外です。TOEICは、大学へ留学する際に英語力を証明するものとしては認められません

この表にTOEICを掲載した理由は、大学留学ではなく、語学留学へ参加する際に英語力を測る基準として用いられることがあるからです。その認知度の高さから、大学留学でもTOEICのスコアを活用できると勘違いされることがあります。ここでは、その点を指摘するためにあえて掲載しています。

いま述べた通り、大学留学のためにTOEICを受ける必要はありません。ただ、TOEICは年に10回程度開催され、受験料も手ごろなため、留学前と留学後でTOEICを受験し、スコアを客観的に比較してみるのもおもしろいでしょう。

では大学に入学・編入するには、表にあるTOEIC以外の4つの英語テストのうち、どのテストを受験すべきなのでしょうか。以降では、大学留学に必要な英語の試験を調べる方法を説明します。

志望校が決まっている場合

大学へ留学する際に必要な英語の試験は、出願する学校によって異なります。学校によっては、英語力を証明するものとして、何種類ものテストを認めている場合があります。では、あなたの志望校がどの英語の試験を認めているのかをどのようにして調べたらよいのでしょうか。

志望校が求める英語テストの調べ方

調査方法をわかりやすく説明するために、ハーバード大学を例にします。

Step 1: まず「ハーバード大学」をインターネットで検索して、大学のウェブサイトへ行きましょう。

Step 2: 一般的には、「International」というキーワードでウェブサイト上から探してください。海外の大学のホームページは、どれも似た構造になっている場合が多いからです。

通常の場合、ホームページから、大学の学部課程の入試関連ページにすぐにたどり着けるような構造になっています。ただ、英語の試験について書かれているページを見つけるためには、現地の学生向けではなく、外国出身の学生向けのページを探してください。外国出身の学生というのは、英語でいうと「International Students」であるため、「International」という単語を探すとよいでしょう。

英語の試験を見つけるために注目すべきキーワード:

・Admissions(入試)

・Undergraduate(大学の学部課程)

・Application(出願)またはApply(出願する)

・Freshman(一年生・新入生)

・Transfer(編入)

・International students/applicants(外国出身の学生/応募者)

・Language requirements(言語に関する必要条件)

・English language proficiency(英語の語学力)

ハーバード大学のウェブサイトは少し複雑なため、該当ページへの行き方をページごとに画像で示します。

(1) トップページにある「Admissions & Aid(入学&財政援助)」をクリックします。

(2) 次のページで「Harvard College Admissions(ハーバード・カレッジの入学)」をクリックします。

(3) 次に左メニューにある「Application Requirements(出願に必要な条件)」をクリックします。

(4) 次のページに「Freshman applicants(一年生からの志望者)」と「Transfer applicants(編入志望者)」のセクションがあります。

「Freshman applicants(一年生からの志望者)」の部分には、英語の試験に関しては何も触れられていません。

「Transfer applicants(編入志望者)」の部分に、TOEFL記述があり、「アメリカの高校に通学していない」もしくは「英語で授業を行われない高校に通った」場合は、TOEFLスコアを提出する必要があります。

先ほど一年生からの志望者のページには、英語の試験に関する記述はありませんでした。それでは、ハーバード大学に一年生からの入学を出願する際は、英語の試験を受験する必要は本当にないのでしょうか。別のページも確認してみましょう。

「Freshman applicants」の下の部分に「View details and apply(詳細を確認の上、出願)」という文字があります。そこをクリックしてみます。

(5) 詳細ページにも英語の必要要件についての記述はありません。ただ、左メニューに「International Applicants(外国出身の応募者)」という文字が見えますので、そこを確認してみましょう。

以下の通り、このページには英語の語学力に関する記載がありました。

画像では読みづらいので、以下に本文を転載します。

English language proficiency(英語の語学力)

A strong knowledge of English is essential for successful study at Harvard, including the ability to understand and express thoughts quickly and clearly.  Although you are not required to take the Test of English as a Foreign Language (TOEFL) or other proficiency exams, you may submit your scores if you have done so.

(ハーバード大学でよい成績をおさめるためには、優れた英語の知識が欠かせません。それには思考を素早く明確に理解し、表現することが含まれます。TOEFLテストやその他の英語検定試験を受験することは必須ではありませんが、既に受験している場合は、得点(スコア)の提出をしてもよいでしょう。)

*出典:「International Applicants | Harvard College」

https://college.harvard.edu/admissions/application-process/international-applicants

上記の文章から読み取れるように、ハーバード大学に一年生として入学する場合、英語の試験を受けることは必須要件ではないようです。他のテストや高校の成績書などを吟味する過程で英語力が十分であるかどうかは自ずと明確になるからでしょう。

ここまで、ハーバード大学のウェブサイトで英語の試験について調査する方法を紹介しました。留学したい大学が既に決まっている場合は、同様の方法で志望校のウェブサイトに行き、どの英語の試験が求められているかを早めに調べておきましょう。

まだ志望校を特定していない場合

次に、海外の大学に留学することは決めているが、まだどの大学に出願するかを特定していない場合はどうしたらよいでしょうか。あるいは、複数の大学に出願する場合、それぞれの大学で求められている試験すべての受験対策をしなければならないのでしょうか。

高得点を取得するためには、受験対策をする英語の試験はできる限り1つに絞りたいと思うはずです。あるいは英語の試験を受けなくても良いのであれば、それが一番望ましいでしょう。

以降では、日本の学生が比較的多く受験する英検を使った留学方法を説明します。

英検を留学時に生かすことができる

実は、英検(実用英語技能検定)で1~2級に合格している場合、それを留学時の英語力を証明する手段として認める海外の大学も増えてきました。

詳しくは「英検留学」でインターネット検索をすると該当のウェブサイトに記載してあります。ここでは主要なポイントをまとめます。

英検を入学資格として認める認定校の数(私立・公立4年制大学)

国名 準2級 2級 2級A* 準1級 1級
アメリカ 1 3 46 184 206
オーストラリア 3 3
カナダ 14 14
ニュージーランド 1

*英検2級Aとは、英検2級合格者のうち、「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4技能の合計スコアが2,150点以上の方に与えられます。

この表の見方は、例えば2級に合格した人は、認定校である3校のアメリカ4年制大学に出願する際に、他の英語の試験を受験する必要がないという意味です。当然ですが、級が準1級や1級になると出願できる大学の数が増えます。

また、大学によっては、低い級の合格者でも付属の語学コースを受講することを条件として入学を認めている場合があります。興味のある大学に直接問い合わせて確認しましょう。ちなみにニュージーランドの1校は、日本の大学のニュージーランド校です。

英検で入学できる具体的な海外の大学名は、「英検留学」のウェブサイトで確認できます。

アメリカの大学は、そのウェブサイト上で州ごとに検索できます。オーストラリアとカナダの大学については、該当の大学が少ないため一覧表になっています。そこから各大学のウェブサイトへリンクされているため、興味のある大学は、どのような環境で何を勉強できるかなど、さらに詳しく調査しましょう。

英語の検定試験の代わりに語学学校に入る

「英検1~2級を取得するレベルまで英語力が達していない」「志望校が英検を英語力証明用のテストとして認めていない」「またTOEFLなどの検定試験でも高得点取得が見込めない場合」はどうしたらよいでしょうか。

その場合は、大学付属の語学学校で英語の授業を受け、英語力を認められれば正規の学生として入学を認められる場合があります。志望校にESL(English as a Second Language「第2言語としての英語」)プログラムがあるかどうか確認し、入学時の英語力の要件としてそのプログラムを修了することを認めているか聞いてみましょう。

具体的には、大学の入試課に以下のような英文を参考にして問い合わせてみてください。

Would it be possible for prospective students apply for admission to the undergraduate program by completing the ESL program you offer without taking TOEFL test?(貴大学の提供するESLプログラムを修了することによって、TOEFLテストを受験することなく、学部課程へ志望することは可能でしょうか)

英検資格での留学以外を検討している

英検1~2級を保持していない、もしくは留学してみたい大学が一覧にない場合は、大きな区分法として国でわけて考えればよいでしょう。ほとんどの大学でTOEFLは英語の試験として認められていますが、イギリスの場合は留学ビザ発行にTOEFLは認められていません。

そのため、イギリスの大学のみを志望している場合は、TOEFLではなく、IELTS(アイエルツ)の対策をする方が賢明です。カナダ・オーストラリア・ニュージーランドは、歴史的にイギリスの影響を強く受けているため、それらの国の大学ではIELTSを英語の試験として認めています。

しかし、アメリカの大学では、IELTSを認めていない学校もありますので、注意が必要です。後ほど、具体的な学校例を紹介しますが、せっかく頑張ってIELTSで高得点を取得しても、学校側がそのスコアを認めてくれないことばあります。その場合は、TOEFLなど、その学校が認めている英語の試験を受けなければなりません。

著名大学がスコア提出を求める英語テスト

それでは、実際に世界のトップレベルの学校がどのような英語の試験を認めているのか見てみましょう。

世界大学ランキング・ベスト10の大学が求める英語試験

まず、USニューズ&ワールド・レポート誌の世界大学ランキング・ベスト10の大学を見てみます。一番上から1位、そして順番に10位までの大学は以下の通りです。

大学名 TOEFL iBT IELTS Academic その他
ハーバード大学(アメリカ) TOEFLと言及はあるが、特に提出の義務はない
マサチューセッツ工科大学(アメリカ)  最低90点、100点以上が望ましい × ×
スタンフォード大学(アメリカ)  義務ではないが、スコアの提出を強く勧める × ×
カリフォルニア州立大学バークレー校(アメリカ)  80点以上 6.5以上
 カリフォルニア工科大学(アメリカ) × ×
 オックスフォード大学(イギリス) 110点以上 7.0以上 〇(ケンブリッジ英検など)
 ケンブリッジ大学(イギリス) ×(言及なし) 7.5(各セクションで7.0以上) 〇(ケンブリッジ英検など)
 プリンストン大学(アメリカ) 〇(PTE Academic)
 コロンビア大学(アメリカ) 100点以上 7.0以上 △(SAT・ACTで高得点取得の場合、免除)
 カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校(アメリカ) 100点以上(セクションごとに22点以上) 7.0以上 ×

ベスト10にはアメリカから8校、イギリスから2校の大学がランクインしており、オーストラリアとカナダの大学は入っていません。そこで、今度はトップ100にランクインしているオーストラリアとカナダの大学についても2校ずつ確認してみましょう。

オーストラリア・カナダ・イギリスの大学が求める英語試験

大学名 TOEFL iBT IELTS Academic その他
シドニー大学(オーストラリア) 〇(ケンブリッジ英検、PTE Academic)
メルボルン大学(オーストラリア) 79点以上 6.5以上(セクションで6.0以上)
トロント大学(カナダ) 100点以上(ライティングは22以上) 6.5以上(セクションで6.0以上) 〇(ケンブリッジ英検など)
マギル大学(カナダ) 学部により異なるが、教育・マネジメントを専攻する場合は、100点以上 6.5以上(セクションで6.0以上) 〇(ケンブリッジ英検、PTE Academicなど)

以上で、世界的に著名な大学がどのような英語の試験のスコア提出を求めていることが明確になりました。これらの表を見ると、志望校が明確に決まっていない場合は、確率的にTOEFLの対策をした方が良いことがわかります。しかし、イギリスに留学する可能性が高い場合は、IELTSの受験対策をしておけば間違いないでしょう。

また、志望校がTOEFLとIELTS(もしくは別の試験)を認めている場合に、自分が苦手な試験を避け、最も勉強しやすいものを選択する方法もあります。例えば、TOEFLが難しく、IELTSの方が勉強しやすいと感じるならば、たとえアメリカの大学を受験するとしても、IELTSを選択すれば良いでしょう。

ではなぜTOEFLとIELTSをわけて考える必要があるのでしょうか。もちろんTOEFLで高得点を取得する英語力があれば、IELTSでも同様に高得点を狙えるはずです。しかし、これらの2つのテストは、全く特徴が異なるため、どちらかの試験に特化して勉強する方が効率的だといえます。

以降では、TOEFLとIELTSの違いを検証していきます。

TOEFLとIELTSの違い

英語の語学力を証明する試験で、最もよく活用されるのはTOEFLとIELTSです。しかし、これらのテストには大きな違いがあるため、今後の受験対策の参考にそれぞれのテストについて説明します。

TOEFLとは

TOEFLとは、「Test of English as a Foreign Language(外国語としての英語のテスト)」の略語です。読み方は、トーフルですが、人によって「トフル」「トッフル」「トイフル」など、さまざまなカタカナ表記や読み方をします。

このテストの運営機関は、非営利の教育機関であるETS(Educational Testing Service)です。ETSはTOEICの運営機関でもあります。

TOEFLには、インターネット形式(iBT)とペーパーテスト形式(ITP)がありますが、ペーパー形式は団体利用の場合にのみ利用されており、日本で個人が受験する場合はインターネット形式のみです。

「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4技能をテストするもので、主に大学の授業や大学生活で必要となる英語力を測定するための設問で構成されています。受験者はマイク付きのヘッドセットを着用し、コンピューターを使って解答します。

日本で受ける場合の受験料は、US$235(7日前まで)もしくはUS$275(4日前まで)です。受験料は、変更される可能性があり、受験する国によっても異なります。あらかじめTOEFLテストの公式サイトで確認してください。

テストの所要時間は、4~4.5時間です。

聞き取りテストである「Listening Section(リスニング・セクション)」は、60~90分で34~51問です。英文を読み解く「Reading Section(リーディング・セクション)」は、60~80分で36~56問あります。

また、英文を書く「Writing Section(ライティング・セクション)」は、50分で2問あり、話すテストである「Speaking Section(スピーキング・セクション)」は、20分で6問の出題となります。

聞き取りと読みのセクションが終わった後、10分間の休憩があります。

IELTSとは

IELTSとは、「International English Language Testing System(国際英語テストシステム)」の略で、読み方は「アイエルツ」です。

このテストは3つの機関で運営されています。それらは、イギリスのケンブリッジ大学英語検定機構、ブリティッシュ・カウンシル、IDP(IELTSオーストラリア)です。日本では、公益財団法人日本英語検定協会が事務局として、実施運営および広報活動をしています。

大学留学先としてアメリカへ行く学生が多いため、TOEFLの方が認知度が高いですが、イギリスやカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの大学へ進学する際には、IELTSの方が主流です。

TOEFLと同様に、「リスニング」「リーディング」「ライティング」「スピーキング」の4技能をテストします。大学留学する場合には、Academic Module(学術的なモジュール)を受験しますが、移住審査の際には、General Training Modules(一般的なトレーニング・モジュール)を受験することになります。

受験料は、日本円で25,380円です。変更している場合がありますので、必ずIELTSのホームページで確認してください。日本事務局は、日本英語検定協会であるため、完全に日本語対応したウェブサイトで、簡単に調べることができます。

テストの所要時間は、約3時間です。

「Listening(リスニング)」は、合計40分で40問が出題され、そのうち10分は解答を解答用紙に転記する時間です。「Reading(リーディング)」は、60分で40問、「Writing(ライティング)」は、60分で2つの設問(150語と250語)が出題されます。また、「Speaking(スピーキング)」は、11~14分で3パートをネイティブ・スピーカーと1対1の対面方式で実施されます。

「Listening(リスニング)」や「Reading(リーディング)」、「Writing(ライティング)」が終わった後で、「Speaking(スピーキング)」を同じ日に受験する場合は、別室で順番に実施されるため、少し待ち時間があります。また、「Speaking(スピーキング)」だけを翌日に実施するテスト日や受験地を選ぶことも可能です。

2つの試験の特筆すべき違いとは

TOEFLとIELTSには、大きな違いが3つあります。

1つ目は、出題形式で、IELTSはマークシート形式ではなく、すべて記述式です。特にライティング・セクションでは、すべて手書きで解答を書くことになります。一方、TOEFLではパソコンを使って解答をタイピング入力します。

また、IELTSの「Speaking(スピーキング)」は、前述の通りネイティブ・スピーカーと対面し試験を受けます。それに対して、TOEFLではコンピューターに向かって解答します。したがって、人と直接対話することが得意な場合はIELTSの方が向いているといえます。

2つ目の違いは、IELTSはイギリス英語が主流であるのに対し、TOEFLはアメリカ英語です。英語教材の音声は、アメリカ英語が多いため、IELTSのリスニング・セクションはやや聞き取りにくいと感じる可能性があります。スピーキング・セクションの面接官もイギリスやオーストラリア出身の方が多く、イギリス英語のアクセントに慣れておく必要があります。

3つ目は、得点(スコア)の出し方の違いです。TOEFL iBTでは、0~120点のスコア方式で、セクションごとに30点の配点となっています。一方、IELTSはバンド方式と呼ばれ、1.0~9.0の間で0.5刻みの評価をされます。

このようにTOEFLとIELTSでは、設問や英語の種類に大きな差があるため、それぞれ別の受験対策を立てる必要があります。IELTSを受験する場合には、日ごろからイギリス英語に慣れ親しんでおくべきです。また、IELTSは記述式であるため、コンピューターに依存することなく正確な単語のつづりを書けるように練習しておくことが重要です。

ここまで、TOEFLとIELTSの違いを述べてきました。では、実際にこういった英語の試験対策はどのようなことに気を付けるべきなのでしょうか。以降では、これらの受験対策のポイントを述べていきます。

テスト受験対策のポイント

大学留学に求められる英語のテスト対策をする際に、どのようなポイントに気をつければよいでしょうか。ここでは、テスト対策時に重要な3つのポイントを説明します。

TOEFLとIELTSは同時に勉強しない方がよい

先ほどTOEFLとIELTSの特徴について述べた通り、それぞれ独自の形式でテストが出題されます。それぞれ癖があるため、やむを得ない理由がある場合を除いて、どちらか1つだけの受験対策に専念できるようにすべきです。

前半で説明した通り、志望校が求める英語の試験を確認し、それに基づいてどの英語の試験を受験するかを決めましょう。もちろんケンブリッジ英検などのTOEFLやIELTS以外の試験を受験することにしても構いません。しかし、受験対策のための教材が少ないため、日本であまり知られていない試験に挑戦しないほうが賢明です。

早めに対策を打つこと

TOEFLやIELTSのスコアは、2年間有効です。どちらの試験を受験するかを決めたら、早めに受験対策をはじめましょう。私が受験した頃は、まだ教材も少なかったため、大きな本屋の洋書コーナーで英語版の分厚いTOEFL過去問題集を入手し、勉強していました。

しかし、現在ではTOEFLやIELTSの受験対策スクールも増え、オンラインでも学べる環境が整っています。そのため、英語圏の大学へ留学することを決断したら、早い段階から試験対策を実施しましょう。

受験料は高額ですが、2つのテストを1回ずつ受験するか、公式問題集を実際に解き、それぞれの特徴を自分の感覚でつかむことをお勧めします。実際に受験すると、どちらの試験の方が勉強しやすいかが判断できるからです。

何度も本試験を受験すること

最後のポイントとして、どのテストの受験対策をするか決定したら、何度も本試験を受けるようにしましょう。スピーキング・セクションの緊張感は、本試験でしか味わえません。また、問題集によっては、本試験と出題内容がややずれているものもあるようです。

受験料は、どちらも2万円以上するため費用が高く、長時間の試験であるため、面倒に感じるかもしれません。しかし、受験回数と取得スコアには相関関係があるため、可能な限り何度も受験して着実にスコアを伸ばしていきましょう。そうすれば、出願間際になって慌てることもなくなります。

海外の大学は、日本の大学とは異なり、学生の総合的な力を評価します。そのため、一度の入学試験で合否結果が決まることはありません。留学を成功させるためには、目的意識をはっきりと持ち、計画的に行動することがとても重要です。大学留学を決断した時点で、どの英語テストを受験するべきかを調べ、早めに対策を講じてください。